Column コラム
山本 崇雄
- 横浜創英中学・高等学校副校長
- 教育系コンサルタント
PR(パブリック・リレーションズ)の視点で子育てを考える③ 子どもに自信を与えることばがけ
2022.06.30

僕が学校や講演などでよく聞かれる子育ての悩みについて、PRの視点で考えていくシリーズの第3回目です。
Q 子どもが自信を持てるようにできるだけ褒めるようにしているのですが、なかなかうまくいきません。
A 中学生くらいになると、よく褒める親に対しては、「どうせまた褒めてるだけだろ」「こんなことで褒められても嬉しくない」と心で思うようになります。ただ褒めるだけでなく誰が褒めるかが大事です。「第三者の誉め言葉」を使いましょう。
「第三者の誉め言葉がどんなときにも一番効果があるのよ、忘れないでね」
これは、『伯爵夫人はスパイ(The Spy Went Dancing)』(講談社、1991年)でウィンザー伯爵夫人という登場人物が言った台詞です。ここから、「第三者が発信した情報は信頼されやすい」という心理的傾向をウィンザー効果と言われるようになりました。
確かに、私たちは日々の生活で誰かが言った「あそこのラーメンは最高に美味しい」とか「この映画は絶対に見た方がいい」という第三者の情報に頼ることがあります。SNSなどに溢れる情報は匿名であっても私たちの購買行動に大きな影響力を与えていると言われています。
ビジネスの世界では、「お客様の声」やインタビューやモニター、口コミマーケティングなどで「第三者の情報」は活用されています。「インスタ映え」もこのウインザー効果を利用したマーケティングに利用されている一例と言えます。
この「第三者の情報」をご家庭での対話に取り入れてみましょう。まずは、家族で協力して、お子さんのいいところや成長したところを日々記録していきます。お子さんと対話して感じたことでも構いません。日々、夫婦間、家族間でお子さんのことを話題にする時間を作ります。すると、「そんないいところがあるのか」「へえ、成長したね」とポジティブな感情が生まれてきます。それを、機を見てお子さんに伝えるのです。
「そういえば、この前、お父さんがあなたのこと言ってたよ」と前置きをして、褒めたいことを続けていくのです。
ご自身では褒めにくいことでも、第三者の言葉として伝えると、褒める言葉も躊躇いなく出てくるでしょう。
家族だけでなく、面談などで学校の先生が言った言葉や近所の方、親戚の方が言った言葉も忘れずにリストに入れておきましょう。このリスト作りをするだけでも、家族間の空気がポジティブなものに変わっていきます。
この作業をもとに対話を続けていくとお子さんは、
「自分の家族は、自分のいいところをちゃんと見て、共有してくれているんだ」
と感じるようになります。対話を通してこの感覚を積み重ねることが自信に繋がっていくのです。
このように、ビジネスの世界で使われている対話の手法には子育てなどにも活かせるものがたくさんあります。PRの対話の手法について、さらに具体的に知りたい場合は、PR for Schoolの教材がお手伝いできると思います。リアルな社会の実例をもとに、対話の具体例を学ぶことができます。ぜひお気軽にお問合せください。
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