INTRODUCTION TO TEXTBOOKS テキスト紹介

誕生秘話

「教えない授業」で著名な先生×SDGs教育で活躍する先生×パブリック・リレーションズ(PR)の第一人者が、「理想の教育」を目指してタッグを組んだ!

異なるフィールドで活躍する3人が起こした、化学反応の結晶-
それが「パブリック・リレーションズ for School」です。

 

先生、あなたの目標は何ですか…?

「パブリック・リレーションズ for School」テキストが誕生したのは、2019年春。

実にテキスト制作開始から、3年目の春でした。

このテキストの誕生は、2人の先生とPRの専門家で事業家という、異なるバックグラウンドをもつ3人が出会い、目標を同じくするところからスタートしています。
3人は、いったい何に共鳴し協働したのかー。 

ここでは少し、新時代のテキストの誕生秘話をご紹介しましょう^^

2019年3月22日、日本外国特派員協会(FCCJ)にて行われた、出版記念会の様子

 

なぜパブリック・リレーションズ(PR)の専門家が、学校教育のテキストに!?

弊所所長の井之上は、1970年にパブリック・リレーションズ(PR)の会社を設立し、インテルやアップルのコンサルティングをはじめ、数々の日米経済交渉(通信・半導体・自動車関連)において米国側のPRのコンサルタントを務めたり、様々な国際的な賞を受賞したりするなど、日本におけるパブリック・リレーションズの第一人者として時代を切り拓いてきました。

井之上先生

こうした、長年のPR業界での知見を活かし、04年以降、早稲田大学・京都大学大学院をはじめとした、様々な「高等教育」の場において、次世代を担う人材を育成すべく、パブリック・リレーションズ教育に力を入れてきました。

しかし、世界は刻一刻と変わります。産業分野を超え多様なビジネス活動と真の国際的な人材の登場を促す「ハイパー・グローバリゼーション」、IoTやAIの進化によるシンギュラリティの到来…そんな世界を目の当たりにした井之上は、こう感じ始めます。

「大学からの教育では遅い。もっと早い段階からの、一貫した、パブリック・リレーションズ教育が必要である」とー。

グローバルレベルでの様々なステークホルダーとの関わりにおいて、自己の目的や組織の目標達成、そして世界共通の問題を解決していくためには、関係者や関連組織との友好な関係性の構築が必須となります。そのためには、いち早く、幼少期からパブリック・リレーションズを身に付けた人材を輩出する必要がありますが、当時の井之上は、初等・中等教育におけるパブリック・リレーションズの普及については、まだその方法を模索している状態で、焦りすら感じていました。

「一刻も早く、初等・中等教育におけるパブリック・リレーションズ教育を始めなければ・・・」

そんな中出会ったのが、当時都立の学校の英語教諭であった山本崇雄先生と、生物の教諭であった山藤旅聞先生でした。

「教えない授業」とパブリック・リレーションズの出会い

現在、自律型学習者を育てる「教えない授業」を実践している山本崇雄先生ですが、そのスタイルが確立するまでには、たくさんの葛藤がありました。「自分の授業は、真のアクティブな授業ではないー。」そう感じたのは、東日本大震災がきっかけだったとのこと。様々な厳しい状況に置かれた子ども達が自分たちの力でそれを乗り越えていく姿を見て、「子ども達には自分自身で立ち上がる力がある。手取り足取り教える授業スタイルは手放そう」と「教えない授業」をスタートさせますが、多くの先生にとって「教えること」を手放していくことは難しいことでした。

山本先生

ですが、社会の変化は、とめどなく押し寄せます。「一斉に同じことを同じペースで行い、同じ正解に導く」のが教育現場の実態であるとするならば、リアルな社会では、問題も、解く方法も、解くスピードも様々…。「社会と教育現場のギャップを減らしたい」「様々な問題に果敢に取り組むことができる真の自律型の学習者を育てたい」そんな思いの中、山本先生に大きな影響を与えたのが、「パブリック・リレーションズ」との出会いでした。

「個人や組織体が最短距離で目標や目的を達成する『倫理観』に支えられた『双方向性コミュニケーソン』と『自己修正』をベースとしたリレーションズ活動」であるパブリック・リレーションズでは、定義にある通り、いつも「目標や目的」が存在します。自律的に子どもたちが学ぶためには、学びに「目標や目的」が必要であり、かつ「誰のための学びなのか」を意識することが必要です。

「パブリック・リレーションズは、「教えない授業」にぴったりだ」

山本先生はそう気づいたと言います。山本先生の授業での3つのルール、”Be happy.”(みんながハッピーであること)、”Listen, Speak, Read, Write and Help each other”(コミュニケーションをして助け合うこと)、”Enjoy making mistakes.”(間違いを楽しむこと)が、パブリック・リレーションズの3つの要素、つまり「倫理観」、「双方向性コミュニケーション」、「自己修正」と重なったのです。パブリック・リレーションズを学校教育に応用することで、授業がうまくいくだけでなく、子どもたちに将来につながるスキルを手に入れさせることができると確信したと山本先生は言います。

SDGs教育に欠かせないもの?

一方、都立高校の生物教諭だった山藤先生は、受験が目的となった教育や、詰込み型の教育に疑問を持ち、生徒たちがどうすれば地球のことを考え、生物の学びを「自分ごと化」できるのかを常に模索していたと言います。そんな中参加したブータンでの研修で、現地の子どもたちが「なんのために勉強するのか」という明確な意識のもと、目を輝かせて勉強していた姿に衝撃を受けます。このことを機に、生徒の「問い」だけで進める授業や、生徒と先生の対話がメインの「対話式双方向授業」に取り組み始めたそうです。

山藤先生

新しい教育の試行錯誤を重ねる中、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)を授業に取り入れ始めたのは、2016年頃のこと。SDGsとは、2015年9月に国連で採択された、2030年までの国際社会の17の共通目標のことです。「SDGsを教育に取り入れれば、「何のために学ぶのか」という理由がはっきりし、その社会課題の解決と学校での勉強を結びつけられるかもしれない」ーそんな「社会と教育」が結びつく可能性を見出し、SDGsを用いた授業をスタートさせたのです。

そんな山藤先生が、パブリック・リレーションズに共鳴したのは、ずばり

「SDGs達成に、欠かせないものであると認識したから」

だそう。目標達成のための関係構築活動であるパブリック・リレーションズでは、常に周りの関係する人たちや組織(ステークホルダー)を考えます。生徒たちがSDGsに掲げられた目標について自らその達成方法を考える際、パブリック・リレーションズの考えを身に付ければ、「誰のために」「誰と協力し合えば」「どのようにやれば」…といった自然な形で、常に周りの人や組織、社会との協働に目を向けられるようになるー。SDGsを教育に取り入れ、社会と学校での学びを結び付けようと試みる山藤先生もまた、パブリック・リレーションズはその結び付きに重要な役割を担うものである、と興味を持ち始めたのです。

  • 井之上の「より早い段階からのPR教育普及を」
  • 英語教諭である山本先生の、「“教えない授業”の土台を」
  • 山藤先生の、「“SDGs”を用いた授業”の基盤を」

という、異なるフィールドで活躍する3人の思いが出会い、試行錯誤を重ね、生まれたのが「パブリック・リレーションズ for School」です。

さて、今このページを読んでくださっている先生、次はあなたの番です。あなたの目標は何ですか?

・・・え?授業を変えたい?でもやり方がわからない??

それならば、まずは「パブリック・リレーションズ for School」を、是非ご覧ください。

このテキストは、「理想の教育」「新しい授業」の追求を願う、すべての方に手に取って頂きたい内容に仕上がりました。どんな内容か、気になるでしょう?

詳しくは・・・「テキスト紹介」のページをご覧ください!