CASE STUDY 導入ケーススタディ

PR for School 導入具体例

グローバル化が進み、子どもたちは社会に出た後、多様な文化と価値観持った人たちと関わっていかなければなりません。その時、一人ひとりの違いを尊重しながら協働しなければならない時が来るでしょう。パブリック・リレーションズはそんなリアルな社会で必要とされるスキルを育てます。この考えを学校教育に取り入れることで、学校での人間関係の構築や協働作業がより良いものになるだけでなく、将来にもつながるスキルを子どもたちが手に入れることができるのです。

ここでは、具体的にPR for Schoolをどう学校教育で取り入れていくかを紹介します。

1 チームビルディングの場面で

ⅰ新入生オリエンテーションで

新たなスタートを迎える新入生。多くの生徒にとって、人間関係がうまくいくか不安に思っているでしょう。誰もが不安に思っているタイミングは、人と人との関係も良好にしていくパブリック・リレーションズの概念導入に最適です。

例えば、新入生オリエンテーションのような場で1時間使うことができれば、「はじめに」のBye Bye Plasticsの事例を使えば、中学生や高校生でも世の中を良くしていく力になることを感じることができるでしょう。

時間に余裕があれば、「オリエンテーション」の「”関わり”を考えよう」のワークをおすすめします。自分とは何か、自分の周りにはどのような人が関わっていくかを考えることで、パブリック・リレーションズの土台となる「自分と関わりのある人」を意識するようになります。

自分の言動一つで、周りの人を幸せにしたり、悲しませたりすることがある。当たり前のことですが、これを意識することがより良い集団を作っていく基礎になります。

この後は、時間に応じて、テキストの進度を年間を通して調整し、パブリック・リレーションズの理念を無理なく導入していきましょう。


ⅱ新入生合宿などの宿泊行事で

2泊3日くらいの宿泊で、チームビルディングや探究学習などを学ぶ学校も増えてきました。その場合、一気にこのテキストを使うことができます。

<宿泊行事での使用例>
事前学習

「00はじめに」「01オリエンテーション」を使って、パブリック・リレーションズの概念を理解し、宿泊で学ぶ目的を知ります。

1日目
  • 午前:「02みんながハッピーであること」を使って、パブリック・リレーションズの「倫理観」について学びます。
  • 午後:「03対等に対話を重ねること」を使って、パブリック・リレーションズの「双方向コミュニケーション」を学びます。
2日目
  • 午前:「04試行錯誤しながらより良い方向に進むこと」を使って、パブリック・リレーションズの「自己修正」について学びます。
  • 午後:「05総合演習」を使って、パブリック・リレーションズの3つの要素を使って、実際に社会で起こった食品の産地偽装事件を分析していきます。
3日目
  • 午前:「06学びのまとめ」を使い、パブリック・リレーションズを学校生活に当てはめていきます。ここでは修学旅行を例に、具体的に考えていきます。最後にクラスや学年のルールを作ります。自分たちで作ったルールは今後の学校生活で、より良い人間関係を作っていく大切なものになるでしょう。

2 道徳の時間で

平成29年告示の指導要領では:
「今後グローバル化が進展する中で,様々な文化や価値観を背景とする人々と相互に尊重し合いながら生きることや,科学技術の発展や社会・経済の変化の中で,人間の幸福と社会の発展の調和的な実現を図ることが一層重要な課題となる。こうした課題に対応していくためには,社会を構成する主体である一人一人が,高い倫理観をもち,人としての生き方や社会の在り方について,時に対立がある場合を含めて,多様な価値観の存在を認識しつつ,自ら感じ,考え,他者と対話し協働しながら,よりよい方向を目指す資質・能力を備えることがこれまで以上に重要」 とあります。これは、まさにパブリック・リレーションズで身につけさせたい資質・能力と完全に一致します。

道徳教育で示されている内容の「4つの視点」を、パブリック・リレーションズに当てはめてみましょう。


A 主として自分自身に関すること

→「01”関わり”を考えよう」

B 主として人との関わりに関すること 

→全ての章が関わるが特に 「01”関わり”を考えよう」「02みんながハッピーであること」「04試行錯誤しながらより良い方向に進むこと」

C 主として集団や社会との関わりに関すること 

→全ての章が関わるが特に「01”関わり”を考えよう」「03対等に対話を重ねること」「05総合演習」

D 主として生命や自然,崇高なものとの関わりに関すること

→「00はじめに」


このように道徳教育の核となる4つの視点をパブリック・リレーションズはカバーしています。

 

3 総合的な探究の時間で

平成30年告示の学習指導要領では総合的な探究の時間の目標として、

「探究の見方・考え方を働かせ,横断的・総合的な学習を行うことを通して,自己の在り方生き方を考えながら,よりよく課題を発見し解決していくための資質・能力を 次のとおり育成することを目指す。」

とあります。教科を超えて、生徒が目標を設定し、自律して学んでいかなければなりません。これはリアルな社会で働くことにつながる学びかたとも言えます。

パブリック・リレーションズは、「個人や組織体が最短距離で目標や目的に達する」ためより良い関係構築をしていく考え方です。ですから、総合的な探究の時間にパブリック・リレーションズの考えを導入することで、子どもたちの学びが、リアルな社会にシームレスにつながっていくのです。

「1 チームビルディングの場面で」で述べたような活動を、総合的な探究の時間のオリエンテーションなどで行うと、自律的な学びの土台がしっかりできます。