Column コラム

意味のないクラス目標を作るのをやめませんか(1) 〜パブリック・リレーションズにおける目標設定〜

2021.04.01

今年は桜の開花が早く、桜は入学式というより、卒業式の花になりつつあると感じました。新年度のスタートにあたり、皆さまはどのように準備をされていますか?

今回は、新年度に当たり前のようにどの学校でも行われているクラス目標やスローガン作りについてお話しします。

教員の皆さんは、クラス担任になった時にクラス目標って作りますか? 僕も、だいぶ前になりますが、学年でクラス目標を作る時間があって、「団結」とか「協力」といった目標を生徒が考えていたのを思い出します。中には、担任の名前をアイウエオ作文にして、やまもとの文字を使って「やる気があって、まとまりがあり、もっと高く、とび立つクラス」と作ったりすることもありました。もうこうなると何のための目標かわかりません。

パブリック・リレーションズでは目標設定が重要です。目標達成のために、対話を通して、時に自分の信念を曲げてでも目標達成のために行動をしていきます。これを学校教育に当てはめると、どうなるでしょうか?

これを話す時に、そもそも学校教育が目指すべき目的は何かから始めなければなりません。現在、SDGsに集約されるように、地球規模の課題が山積しています。持続可能な社会を作っていかなければならないのは、社会でも学校でも同じです。全ての世代で協働して持続可能な社会を作っていかなければなりません。

もう一つは、問題が山積し、変化の激しい社会で生徒たちが自律して生きていく力を育むことです。複数の選択肢からより良いものを選んだり、0から選択肢を生み出したりする創造力を持った自律型の学習者に生徒を育てることが求められています。

以上の二点を達成するために、学校目標が設定されていなければなりません。もし、学校目標がこの二点を育むこととずれていたら、例え建学の精神であっても変更する勇気が必要だと工藤勇一氏は述べています。(参考教育プロデュースチャンネル https://www.youtube.com/watch?v=8mtcoObro1c)

つまり、これからの時代にあった教育目標があり、その達成を全ての教職員、生徒で目指していかなければならないのです。クラス目標があるとすれば、それは学校の教育目標に沿ったものでなければなりません。
しかしながら、最初に述べたように、生徒たちで目標設定するときに、このことはほとんど意識されないでしょう。ですから、クラス目標を設定するより、学校の教育目標をしっかり理解することの方が重要になります。クラス目標を意味あるものにするのであれば、最上位の目標に沿った目標設定をするファシリテーションを教員がしなければなりません。この点は意外に見落とされているのではないでしょうか?

パブリック・リレーションズでの目標は何でもいいわけではなく、より良い社会につながる目標設定が重要なのです。学校の教育目標をブレずに達成するためにも、意味のないクラス目標を作るのをやめませんか?