Column コラム
パブリックリレーションズ for School 公認ファシリテーター認定講座を開催しました
2024.08.29
皆さん、この夏はどんな学びを得ましたか?私たち「パブリックリレーションズ for School」では、この夏、初めての公認ファシリテーター認定講座を開催しました。7月30日と31日の2日間、全国各地から37名が参加し、北海道、関西、九州といったさまざまな地域から集まりました。
講師を務めたのは、日本のパブリックリレーションズ(PR)の第一人者であり、京都大学や北海道大学などで教鞭を執っている井之上喬先生と、学校へのPR導入を実践している私です。
井之上先生は、70年代後半から80年代初頭にかけて、インテルやアップルコンピュータなど、シリコンバレーのベンチャー企業や日米間の経済摩擦の解消のために米国側のPRコンサルティングを手がけるなど、日本の経済発展に貢献してきた方です。受講者たちは、井之上先生から直接学ぶことで、PRの役割や、自己修正を基盤としたリレーションシップマネジメントの基礎を理解しました。
その後、私が担当したセッションでは、学校や人材育成の場にPRを導入するためのワークショップを行いました。ここでは、レゴ®シリアスプレイ®メソッドを使い、PRの3つの柱である「倫理観」「双方向コミュニケーション」「自己修正」について、体験を通して学んでいただきました。受講者は、私が横浜創英中学・高等学校で実際に行った授業を通じて、目標設定と自己修正の概念を理解するワークを体験しました。
最終日には、受講者それぞれがPRの概念をどのように教育活動や人材育成に活かすか、具体的なプランを立て、プレゼンテーションを行いました。これから各自の学校や職場でPRを実践し、その成果がすぐに形になることを期待しています。
学校でPRのスキルを身につけることで、以下のような効果が期待できます。
- 一人ひとりに合った学習を支援できる
- 自律的な探究学習をサポートできる
- 自律を育む生徒指導が可能になる
- 学校行事を生徒主体で運営できる
たとえば、宮城県から参加した高校教員の大槻さんは、夏休み中に高校3年生との進路面談でPRの考え方を取り入れた対話を実践しました。「進路指導はしばしば個々の先生に任されます。自身の反省として、生徒の選択や発言の機会が少なくなってしまっていたこともありました。PRのスキルがあれば、しっかりとした軸を持って生徒を支援できます。実際に生徒にステークホルダーの考えを共有した結果、彼女は「登場人物」と置き換え、単なる関係性の話にとどまらず、その人物のメンタルや背景にも思いを巡らせることができました」と話しています。
講座の最後には、井之上先生から受講者一人ひとりに認定状とピンバッジが授与されました。今後、受講生の皆さんがPRをどのように活かしていくのか、とても楽しみです。その成果は、日本パブリックリレーションズ学会の研究会などで発表される予定ですので、ぜひご期待ください。
次回の「パブリックリレーションズ for School 公認ファシリテーター認定講座」は、来年1月に開催予定です。教育や人材育成に役立つPRのスキルを身につけたい方は、ぜひご参加ください。詳細が決まり次第、ホームページでお知らせしますので、お見逃しなく。