Column コラム

4月こそパブリック・リレーションズ

2021.04.16

山藤旅聞です。コロナと共存する学校生活は、今年度も続きますね。PR for Schoolの考えを大切にしながら、New normalもしくは、better normalな学校生活について、みなさんと一緒に考えていきたいと思っております。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

早速ですが、新年度のスタートでパブリック・リレーションズについて考える機会がありましたのでご紹介したいと思います。

本校では、4/7に入学式を迎え、学校生活がスタートしています。昨年度に比べ、オンライン授業の準備やデバイスの準備など、昨年の経験値が生きているためか、今年度はゆとりを持って、スタートできました。4月中には、オンライン授業の練習をすることも予定しており、学校の当たり前も変化していることを感じています。

さて、今回みなさんと考えたいことは、4月のオリエンテーション 期間に先生から生徒に伝える「校則」についてです。多くの学校で、この時期に生徒指導部の先生が生徒に「校則」について伝える場面があると思います。ここで伝えられることは年間を通じて、生徒に守ってほしい約束になると思うのですが、みなさんの学校にはどんな約束(校則)がありますか?本校のプロジェクトデザインチーム(生活指導部)の先生は、4/9の全校集会で、以下のようなお話をされていました。

①校則は、すべての生徒が幸せになるための約束であること。
②たくさんの約束があるが、1つ1つに意味と経緯があること。
③校則は年間を通じて守るものではなく、臨機応変に変えていけること。
④変えたいと思ったときは、提案をして欲しいということ。
(誰かの声が、学校を変えていく。そして社会を変えていくということも伝えていました。)
⑤校則を変えていくときは、関係者全員の幸せを考えるため、保護者(社会)、先生(学校)、そして生徒(仲間)で対話をしながら変えていくこと。
⑥多数決ではなく、対話を続けて解決の方向を試行錯誤していくこと。

これらのお話を生徒と一緒に聞きながら思ったことは、①②は倫理観、③は自己修正、④⑤⑥は双方向性コミュニケーション(対等に対話を重ねること)ということです。まさにパブリック・リレーションズ。この話をしていた先生は、パブリック・リレーションズfor Schoolのセミナーを受講されています。この全校集会の後、振り返りとして生徒たち声をフォームで集めたのですが、批判的な意見はなく、多くの生徒が学校生活は学校が与えてくれるものではなく、自分たちでつくっていくもの、という当事者意識が芽生えていることすら感じ取れました。

さて、みなさん。校則は絶対に変えてはいけないものでしょうか。例えば制服の夏服、冬服の着用期間を考えてみましょう。近年、気候変動によりサクラの開花時期は年々早まり、4月でも汗ばむ陽気の日数が増えています。今までの制服着用期間では、物理的に矛盾するケースが出てきています。また、コロナ禍で制服の衛生面を考えると、学校指定の体操服を活用したり、すでに生徒が持っている私服等で、毎日洗濯できる洋服の方が予防効果を高めることが期待できます。学校指定の高額な制服一式や、スペアのシャツやセーターを購入するよりも、すでにご家庭で準備のある代用品も活用できるようにすれば、ご家庭への経済的な負担も配慮でき、多くの関係者の笑顔をつくっていけそうです。このように考えると、多くの校則を、保護者、生徒、そして先生で対話しながら見直していく必要性がありそうです。

新年度のスタートの4月だからこそ、絶対に守る校則を伝える儀式はやめて、パブリック・リレーションズの視点で、学校にある「校則」を見直してみませんか?