Column コラム
「人間」「大人」都合の枠から離れてみよう
2020.10.12
こんにちは、山藤旅聞です。
みなさん、お変わりございませんか?
朝や夕方の空気が清々しい季節になってきましたね。
みなさんの学校の様子はどうでしょうか?
そして、生徒の様子はいかがでしょうか?
本校はコロナ禍の文化祭に向けて、生徒と先生がチームになって、
来校者の笑顔を目指して対話を続けています。
ところで私は、腕時計を外して5年ほど経ちます。
きっかけは、趣味のフィールドワークでした。
年に数回、沖縄県の西表島の海や亜熱帯の森林にいきます。
海外ですとボルネオ島(マレーシア)の熱帯雨林に入って、野生動物や昆虫との遭遇を楽しんだり、
様々な植物を図鑑片手に同定したりしています。
大自然にいるとき、「時間」という概念は不要です。
なぜなら、すべて「自然界のタイミング」に合わせて活動するからです。
例えば、鳥の観察は、日の出と共にスタートしますので、
季節によって、そして毎日、スタート時間がズレます。
満月の夜とそうでない時の動物の活動も大きく変化しますし、
雨が降った日や、曇りの日、晴れた日など、
動植物の活動タイミングは、天候等で変化するので、自然の様子を読みながら、
今日の活動を「感覚的」に決めていくのです。
そう、時計は必要ないんです。
人間の決めた時間で、朝は6時から観察しようと決めても、
観察したい生物には会えません。
感覚でとらえたタイミングがあたり、なかなか出会うことができない
野生動物を観察できた時の喜びは、最高です。
そして、何より時計を持たず、自然界のタイミングに身をゆだねて活動すると、
とても体がリラックスしていく感覚があります。
日の出とともに活動して、少しお腹が空いたら朝食を。
午前中の活動をして、お腹が空いたら昼食を、そして午後は昼寝もしながら、
また活動をして、お腹が空いたら夕食をとります。
食事の時間も、チラッと宿の時計など見ると、15分程度のズレの範囲内がほとんどです
(大幅にずれそうなときは、前もって宿のほうに連絡を入れています・笑)。
夜行性の動物を追いかける日以外は、夕食後は活動がなければすぐに眠くなってきます。
大体20:00頃には真っ暗で、無数の星空しか見えません。
そうすると体は、自然と眠ろうとしてくれる気がします。
本校の中学校と高等学校では、週1回、1時間目から6時間目までを通して
「教科横断的な時間」を実施しています。
決まっている時間は朝のHR、給食、帰りのHRだけ、
その他の活動の区切りは、生徒の活動ベースで、
生徒と先生で対話しながら休み時間のタイミングなどを決めています。
学校が決めた時間の区切りがないので、
生徒たちはのびのび自分の感覚を研ぎ澄ましながら学ぶことができ、
より「生徒主体の活動」ができています。
考えてみると、時間割は効率的ですが、
大人の都合?で決めてしまった時間の枠でもあります。
他方、この本校の取り組みは、パブリック・リレーションズの考え方で言えば、
時間に対しての生徒と先生間における「双方向性コミュニケーション」によって、
時間の区切りを話し合える仕掛けになっている気がします。
「あと5分!」とか、「早くしなさい!!」という言葉ではなく
「いつまでやりたい?」「今日はどこまで頑張る?」と
相談しながら時間の区切りを決められるのです。
みなさんも、週末は時計を外してみませんか?