Column コラム

映画Back to the Futureから見る「PR」とは?

2020.08.04

 

こんにちは、木野雄介です。夏がやってきましたね!お元気ですか?

ところで、みなさん。映画はお好きですか?

同年代の方は全員見たことがあるはず、と勝手に思っている映画があります。僕の一番好きな映画、「Back to the Future(以下BTTF)」です。
今日は「BTTF」をテーマにコラムを書いていきます。なお、「BTTF」を見たことない方は多少ネタバレが含まれますので、視聴されてからこの続きを読むことをオススメいたします。(映画史に残る名作ですので、ぜひ一度ご覧になってください)

 

映画の舞台は公開当時の1985年。私は5歳でしたので、オンタイムで見たわけではなく、おそらく小学校2〜3年生くらいのときにTV放送で見たのが初めてだったと思います。ハラハラするストーリーの中に挟まれたコミカルな演技が大好きで、主人公のマーティーが「Johnny B. Goode」を演奏するシーンをエアギターで真似していたのを今でも覚えています。
エンディングでは車が空を飛び、未来へ消え、「2へ続く」というメッセージで終わります。私は録画した「BTTF 1」を何度も見ては、「2」への思いを馳せる日々でした。

さて、この「BTTFシリーズ」は私が多くを語るまでもなく、歴史の残る名作なのですが、ここまで私たちの心を揺さぶったのはなぜでしょうか。

確かに、未来の世界におけるさまざまなイノベーションには感動しました。          空飛ぶ車、自動で締まる靴、宙に浮いたスケボー(作中の名称は「ホバーボード」)、一瞬で調理が完了する機械などなど、子供たちはいつの時代も「未来の世界にワクワク」するものです。

これはきっと、今の時代の子供たちも同じはずです。

しかし、現代の子供たちが触れる情報に、どれほど「ワクワクする未来」があるでしょうか?今これを読んでいるあなたが学校の先生であれば、児童・生徒たちに「ワクワクする未来」を語っていますか?保護者であれば、お子さんに「ワクワクする未来」を語っていますか?

子供たちは、自分たちの未来を私たち大人を観察して見ています。子供たちがスポーツ選手、芸能人、YouTuberに憧れるのは、彼らが楽しそうに人生を過ごしているからだと思います。(※もちろん、彼らは一般の方よりも何倍もの努力をしているはずですが)

ただ、私が言いたいのは、「大人になるってワクワクだ、という人生観って大切ですよね」ということです。ここが欠けてしまっては、自ら学んだり、経験したりして、「成長しよう」「大人になろう」という動機が子供たちから失われてしまうのではないでしょうか。その結果、とても刹那的な動機に左右される人生観になってしまうのではないでしょうか。そんな人生はつまらないし、ちょっと危ないな、と私は思います。(BTTFではビフがそうでした)

いま私たち大人たちは、子供たちに「大人になるってワクワクだ!」と思ってもらえるような人生を、日々送っているしょうか?そして、子供たちに「ワクワクする未来」を語れる大人でしょうか。ぜひ自問自答してみてください。

では、「ワクワクする未来」って一体なんでしょうか?

最終作「BTTF 3」の大エンディング、主人公マーティーに親友ドクが語ったセリフにその答えがあります。

“It means your future hasn't been written yet. No one's has. Your future is whatever you make it. So make it a good one.”
君たちの未来はまだ決まってないということさ。誰だってそうさ。未来は自分で切り開くものなんだよ。だから頑張るんだ。

私たちは、子供と比べて経験豊富ではありますが、未来の社会がどうなるか分かる人は一人もいません。30年前、少子高齢化が進行することはある程度予想されており、介護士資格、介護・養護施設、保険制度については様々な改革が行われました。少子化についても制度や社会環境の見直しなどがなされましたが、保育園の数が足りず、困るご家庭が増えることをここまで予想できていた大人がどれほどいたでしょうか?(むしろ少子化によって保育園は経営の危機に瀕すると予想されていたほどです)そして現代、「少子化問題は改善している」状況とは言えず、とうとう人口減少時代に突入しました。武力紛争や飢餓のない先進国では異例のことです。

「パブリック・リレーションズ」では「対話」を重視しています。未来を前にしたら大人も子供も対等です。未来を語る際、大人は未来を決めるつけることなく、「未来は自分で切り開くものなんだよ」という前提で、対等な「対話」を試みてほしいと思います。

それではみなさん、またお会いしましょう。