ABOUT PUBLIC RELATIONS パブリック・リレーションズ(PR)とは

パブリック・リレーションズ(PR)とは

日本パブリック・リレーションズ研究所では、「パブリック・リレーションズ」を、「個人や組織体が最短距離で目標や目的を達成する、『倫理観』 に支えられた 『双方向性コミュニケーション』 と 『自己修正』 をベースとした リレーションズ(関係構築)活動」 と考えています。

ここで言う、「パブリック」は「公共」ではなく、「社会」あるいは「一般社会」を指します。

個人や組織は、設定した目標を達成するために、パブリック(ステークホルダー)の中から、関わりを持つべきターゲットを決めますが、目標設定が変われば、ターゲットも変わります。

ある目標や目的を達成する際の、そのターゲットとの関係性・構築・維持(リレーションズ)の総体が、「パブリック・リレーションズ」です。

また、その「関係構築活動」を成功に導く重要な3つのエッセンスが、「倫理観」「双方向性コミュニケーション」「自己修正」です。(詳しくは、こちらをご覧ください

一見、難しく聞こえるかもしれませんが、学校向けに制作したこのテキストでは、中高生でも分かりやすいよう、「倫理観」を「みんながハッピーであること」、「双方向性コミュニケーション」を「対等に対話を重ねること」、「自己修正」を「試行錯誤しながらより良い方向へ進むこと」と表現。

また、国際社会で実際に起こった5つの事例を取り上げ、内容が理解しやすいよう漫画で紹介しています。

なぜ、パブリック・リレーションズが教育に求められているのかー

その答えを、是非このホームページで、ご確認頂けましたら幸いです。

まずは弊所所長 井之上喬、そして山本先生・山藤先生からのメッセージをご紹介させて頂きます。

時代が求める、パブリック・リレーションズ
-弊所所長からのメッセージ

皆さん、こんにちは。

日本パブリックリレーションズ研究所、所長の井之上喬と申します。

唐突ですが、仮に皆さんの学校の生徒に「山田 一郎くん」がいるとしましょう。

いま山田くんには、「日本」の山田 一郎くんから、「グローバル社会」での山田 一郎くんとして生きていくことが、求められています。もう少し、詳しくお話しましょう。

長年単一性の強い民族・言語・宗教を持つ島国日本の文化は、共有度合いが高い、いわゆる「ハイコンテクスト型」です。「以心伝心」「阿吽の呼吸」という表現にあるように、「言葉に出さなくても相手の気持ちがわかる」という場面が多いのが特徴です。

一方、多民族、多言語、多宗教で構成されるグローバル社会は、共有度合いが低い「ローコンテクスト型」と言われており、自己表現や自己主張は生存に不可欠です。

パブリック・リレーションズが、20世紀初頭、移民国家米国で誕生・本格的に繁栄した理由をお分かり頂けると思います。

戦後GHQにより、パブリック・リレーションズは日本に紹介されます、長きにわたって広報・宣伝・広告などと誤解され、本来の概念が失われてしまったままでいます。残念ながら、日本にパブリック・リレーションズが根付いている、とはいい難い状況にあります。

しかしながら、異なる文化や言語を持つ70億人を超える人々が暮らす世界はいま、まさに新たな時代へと突入しつつあります。

地球温暖化をはじめとする気候変動、人間の仕事の半分が人工知能(AI)に取って代わられると言うAI時代の到来、そして言うまでもなく、2020年世界中を震撼させた新型ウィルスの出現など、人類はこれまで体験したことの無いような局面に立たされています。

そうです、先生方の生徒、「山田一郎くん」は、まさにそんな時代を生きなければなりません。

共有する文化コードが少ないグローバル社会で生きていくには、様々な関わる人たち(ステークホルダー)に対し自らをはっきりと伝えなくては、相手に誤解を与え、最悪の場合国家間の戦争にも発展しかねません。

「答えのない、未知の時代」を生き抜くために必要な力―それは、自律的に学び・行動し、様々なステークホルダーと良好な関係を築き、ともに解決し、歩んでいける力ではないでしょうか。

いま、まさに「パブリック・リレーションズ」はグローバル時代を生き抜くベースとして、求められていると言えるでしょう。

これからの子どもたちが生きる世界は、これまでとは全く異なる世界です。

そんな未来を担う子どもたちが、それぞれの個性を生かしながら、夢や目標を持ち、その実現に向けて周りの様々な人と関わりあい、外部環境の変化に適応し、自律的に生きる力を身に付けられる教育―つまり未知のグローバル世界でも、思い切り羽ばたけるような教育基盤が、日本には求められています。

日本はいま、明治維新以来150年に及ぶ学校教育の危機が叫ばれています。

2020年の新型ウィルス問題はこれを加速させ、これまでのカリキュラムに沿った“マニュアル通り”の知識の詰込み教育に対する、抜本的な見直しが迫られています。

「個」を強くする「パブリック・リレーションズ」は、まさにこうした時代の要請に応える基盤教育です。

その基盤を、是非先生方と一緒に作っていきたいと、私たちは願っています。

この中高生向けテキスト「パブリック・リレーションズ for School」は、皆さんの生徒「山田 一郎くん」に、「国際人として自律した山田 一郎くん」となってもらうために、我々が心をこめて制作いたしました。

さあ、皆さんもご一緒に、パブリック・リレーションズの世界へ、飛び出してみませんか?

山本先生・山藤先生からのメッセージ

コロナ危機、気候危機、Society5.0など、近年、急速に変わる社会の中で、どのような教育が求められているのでしょうか。

国の教育方針(文部科学省)に、小中高の教育に「持続可能な社会の造り手の育成」「社会との接続を持つための教育」が求めているのはなぜでしょうか。

予測不可能時代と言われる今、幸せに生きていくために必要な力の育む教育が、教育現場に求められていることを感じます。

一方、こんな激変する時代を生きる生徒たちは、どのような教育を求めているでしょうか。

生徒たちと対話していると、多くの仲間や、大人とつながって、より良い社会や地球に向けた行動をしていきたいということを、話してくれます。

まさに、社会から求められる力の1つであり、今を生きる学生たちが求める力の1つでもあるのが、「パブリック・リレーションズ」だと、私たちは考えています。

パブリック・リレーションズは、学校で生徒が主体的に対話をしていく場面で大切な視点を与えてくれます。意見は「みんな違っていい」という多様性を大切にしながら、「誰も取り残さない」全員で納得する最上位目標を合意していく対話のプロセスを、学校教育の中でたくさん体験させていくことが、より良い学校・より良い未来を作っていきます。

4月のクラスや学年でのチームビルディング、行事などの目標設定と手段の決定、探求型の授業、プロジェクト型の授業、部活動、生徒会活動などで応用しやすいようにテキストを編集しました。 ぜひお手にとって、パブリック・リレーションズの可能性を感じていただきたいです。