Column コラム
山本 崇雄
- 横浜創英中学・高等学校副校長
- 教育系コンサルタント
アクティブラーニングとパブリックリレーションズ
2020.06.30

みなさま、日本パブリックリレーションズ研究所主任研究員の山本崇雄と申します。私は、「兼業教師」という教師の新しい働き方として、私立の学校で英語教師として教壇に立つ傍ら、日本パブリックリレーションズ研究所をはじめ、複数の企業とも契約を結び働いております。このコラムでは、リアル社会での関係構築活動であるパブリックリレーションズの学校教育への応用とその可能性について、日々の実践を取り上げながら、紹介させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
今回は、授業のルールとパブリックリレーションズの関連について紹介します。私は、英語の教師として、25年間東京都の公立学校に勤務し、昨年度、私立の学校に転勤しました。私の授業は、生徒が主体となって活動するいわゆるアクティブラーニングの実践が中心です。生徒が主体的に学ぶには、授業でのルール作りが大切です。様々なルールを生徒と考えてきたのですが、最終的には以下の3つに集約されました。
Everyone should be happy.
みんなハッピーになろう
Everyone should listen, speak, read, write and help each other.
みんなで聞いて、話して、読んで、書こう、そして助け合おう
Everyone should enjoy making mistakes.
みんなで間違いを楽しもう
これが、実はパブリックリレーションズの3つの柱(倫理観、双方向性コミュニケーション、自己修正)と見事につながっているのです。
「みんなハッピーになろう」は「倫理観」の捉え方の一つです。「みんなで聞いて、話して、読んで、書こう、そして助け合おう」はまさに「双方向性コミュニケーション」、そして、「自己修正」はそもそも間違いをしないと修正できないので、「みんなで間違いを楽しもう」ということになります。
アクティブラーニングの授業がうまくいくルールは、パブリックリレーションズの考え方と一致していたのです。英語のアクティブラーニング授業におけるパブリックリレーションズの応用は、拙著『「教えない授業」の始め方』で詳しく紹介しています。機会がありましたら、お手にとっていただけると幸いです。なお、この本のパブリックリレーションズに関する章は、所長の井之上喬が監修しております。
『「教えない授業」の始め方』(アルク)
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