CASE STUDY 導入ケーススタディ

Teacher's Voice

PR for Schoolを導入して下さった先生方の熱ーい思いをご紹介する、「Teacher's voice」。

記念すべき第1回は、三田国際学園中学校・高等学校の楢島知哉先生にお話を伺いました!

三田国際学園中学校・高等学校は、新型コロナウィルスの影響を受け、全国の学校が休校になる中、以前より力を入れていた情報技術通信(ICT)を活かし、いち早く全教科で遠隔授業をスタートさせた学校としても、現在注目を浴びています。

そんな三田国際学園にご所属の、楢島先生による「PR for School」テキストの授業は、まさに目から鱗の連続でした!

「私自身も生徒たちも、これまでの授業や経験が、テキストの中身とシンクロしました。」

楢島先生、今日はお忙しい中、本当にありがとうございます。
早速ですが、PR for School 導入のきっかけを教えてください!

本校では、高校1年生と2年生にグローバルエデュケーション(以下GE)という授業があります。他校で言う総合学習にあたる科目なのですが、科目名も変更し、10段階で評価も行なっています。

実は5年前の本校創立時に、私が立ち上げたものだったのですが、世界的な社会問題、主にはSDGs(当時はMDGs)を扱う授業としてスタートさせました。

当初は、高校1年生で完結する授業でしたが、昨年から一部高校2年生でも「2年目のGE」実施が決まり、また「ゼロベース」でテキストや指導内容を考えることになりました。

そんな時、たまたまパブリック・リレーションズの山本先生・山藤先生たちのセミナーがあり、「これは…!」と思い、参加させて頂きました。その後お話を伺ったり、サンプルを頂いて、「私がこれまで行ってきたグローバル教育・国際理解教育と、非常に方向性が合致する」と思い、採用させて頂きました。

 

そうだったのですね…!嬉しい限りです!
ちなみに楢島先生は、海外での教育活動のご経験もお有りのとのことですが、それも何か影響があったのでしょうか…?

そうですね。私の教師としてのベースは、海外3カ国で教員をしていた経験の影響が大きいのですが、やはり日本の子供たちがこれから生きていく上で、日本のスタンダードだけではなく、グローバルスタンダードを理解して社会に出て行って欲しいと思っています。そのために、先程のGE含め様々な形で本校ではグローバル教育を行っているのですが、その意味でも、このテキストで扱っている内容が私の教育理念だったり、学校の方向性とあっていたのではないかと思います。

 

なるほど…!海外経験がベースとなった先生の教育観にも、テキストが響いたとのこと、制作側としては、とても嬉しいです!
ちなみに、テキストを用いた授業は高校2年生の2クラス(短期留学クラス・長期留学クラス)で実施して下さったとのことでしたが、生徒の皆さんの反応はいかがでしたか…?

3学期に、「これまでやってきたGE の総集編」としてテキストを用いた授業を始めましたが、「パブリック・リレーションズ」と聞いても、予想通りみんな「ぽかーん」としてしまって(笑)。ちなみにGEの授業は、基本グループディスカッションがベースで、自分で調べたり、議論や発表したり、レポートにまとめるといった授業なんです。ですので、まずは「PRとは?」を生徒たちに議論させたところ、案の定「PRってCMじゃないの?」「広告じゃない?」と言った意見が出てきました。そこから段々と定義を掘り下げて、0章のメラティちゃんの漫画を読ませ、TEDの動画を見てもらい…という流れで、初回は進めていきました。

いま、オンライン授業が非常に話題になっていますが、本校は元々ICT先進校でAppleの教育認定校の一つでもあり、入学時には全員にiPadを購入してもらっています。それを活用し、例えば授業の感想文をオンラインで提出してもらったり、2章のワークにある「自分が社長の立場だったら?」という問いに対しては、ホワイトボードにQRコードを出し、それを生徒のiPadで読み込ませ、グループで出た意見をGoogleフォームで回答させたりしていました。そうすることで、画面上で全員の意見を確認でき、更に「この意見についてどう思う?」など、議論が展開しやすくなります。

 

(写真)楢島先生の手作りパワーポイントをもとに、授業を展開。

 

すごいですね…!私が高校生の時には、こんな授業考えられませんでした。

いまはツールを使う側になりましたが、私の時代でも、考えられませんでしたよ(笑)。

このような形で、「オン(ライン)」と「オフ(ライン)」をうまく切り替えながら、授業を進めるよう工夫していました。最初は「ぽかーん」としていた生徒たちも、回を重ねるごとに、これまでGEの授業でやってきたことが、このテキストを通して「点と点が繋がった」ような形で理解できていたように感じました。発言内容や感想文も変わり…。加えて、生徒たち自身の様々な経験や、それまで巡らせてきた思考が、このテキストに詰まっている中身とシンクロして、どこか「ストン」と彼ら自身の中に落ちる瞬間が、あったように見受けました。

 

「このテキストは、各学校でのグローバル教育の橋渡し的な存在にもなるのではないでしょうか。」

次に、テキストの内容についてお聞きかせ下さい。良かった点や、逆に使いにくかった点はありますか?

漫画で導入という点が、非常に面白かったです。SDGs関連のマテリアルでも、なかなか無いアプローチだと思います。漫画を読んで「どう思う?」からスタートして、あとは生徒自身でリサーチしたり、また新しい話題をふってみたりと、導入がとてもスムーズにいったことが特に良かったです。また、(テキスト各章の)トピックについても、生徒たちが「知っているようで知らない」ことが多かったので、そういった意味でも使いやすかったです。使いにくかった部分は、特に無かったですよ!

 

ありがとうございます!少し話題が逸れますが、今回の新型コロナウィルスにより、世の中も学校も様変わりしました。このような外部環境の変化を受けて、テキストの在り方も変えていかなければならない部分があるかと思いますが、何かPR for Schoolにアドバイスはありますでしょうか?

仰るとおり、今回の新型コロナウィルスで日本だけでなく世界中で、日常が大きく変わりました。本校でも、留学に行っている生徒や、留学を受け入れている海外からの生徒も多く、大きな影響を受けました。まさに、教育の分野でも「パラダイムシフト」が起こっており、受け入れざるを得ない状況にあります。先ほどの「オンとオフ」もそうですし、9月入学という話題も世間では出ていますが、教育を改めて見直す、良いチャンスだとも捉えています。そういった中で、日本の子ども達に本当に理解してほしい概念やダイバーシティの在り方なども、変わってくる部分があると思います。アフターコロナの中で必要な教育観やテーマなどを、またテキストに反映・アップデートさせていくと、生徒たちがこれからの未来を考える上で、より役立つテキストになると思います!

 

ありがとうございます!ちなみに、現在テキストの導入にお悩みの先生がいらっしゃるのですが、何かメッセージを頂けますでしょうか?

本校では、元々GEという授業があったりなど、他校とは状況が違う面もあるかと思いますが、ただどの学校も共通して言えるのは、総合学習の一環等で「グローバル教育を考えていない学校はない」という点だと思います。ですが、数年前の私のように一から授業を考える、というのもなかなか大変ですので(笑)、例えばこのテキストを「パブリック・リレーションズ」という概念とともに、「橋渡し」的な存在として導入し、導入後はそれぞれの学校でオリジナルなストーリーを組み立てていく、という形を取れば、グローバル教育の素晴らしいきっかけにもなると思います。テキストも指導書も、しっかりしたものがあるので、例えば6クラスで6人の先生が教えるということになっても、やりやすいと思います。

 

「テキストを用いながらも、それぞれ「オリジナルなストーリー」を作ることができる」ーPR for Schoolの新しい魅力を発見して頂き、ありがとうございます!残念ながら、そろそろお時間となってしまいました…最後に楢島先生から、一言、頂けますでしょうか?

ありがたいことに、年々学校の知名度も上がってきており、私自身も国際教育の責任者として講演させて頂く機会があります。手前味噌ですが、地方の学校の先生方からもお声がけ頂き、本校の取り組みをお伝えさせて頂いたりもしています。その時必ず最後にお話ししているのが、「本校だけがcutting edgeとして進むのではなく、色々な先生方や教育関係者の方々と知識を共有して、日本全体の教育を変えていきたいと思っています」ということです。私自身、色々な先生方と繋がらせて頂き、勉強させて頂いているという立場でもありますので、願うのは、このパブリック・リレーションズも含めそれに付随する国際理解教育・グローバル教育を、日本の教育全体で考えていけたら、ということです。志のある先生方だけでなく、日本全国の学校で考えていかなくてはならない教育だと思うので、「みんなで日本の教育を変えたいね」ということは、常に色々な先生方とお話ししているんですよ。

 

楢島先生、本日は本当にありがとうございました!

このPR for Schoolが、楢島先生の教育観に響き、さらにはこれから世界へと羽ばたく生徒の方にも、「ストン」と落ちた瞬間があったー。なんとも嬉しいお話を伺えました!

今回は、オンラインでのインタビューだったのですが、楢島先生の教育に対する「熱さ」や、やさしいお人柄が、画面越しにも伝わってきました。楢島先生、本当にありがとうございました!

次回は…あなたの学校にお邪魔させて頂くかもしれません!
乞うご期待ください!

<今回インタビューさせて頂いた学校は…こちら!>

  • 三田国際学園中学校・高等学校
  • 住所: 〒158-0097 東京都世田谷区用賀2-16-1
  • TEL: 03-3707-5676
  • URL: http://www.mita-is.ed.jp/

世田谷区にある私立中学校・高等学校。1902年の創立時より受け継がれる建学の精神を活かし、グローバル時代を迎えた2015年、校名変更・共学化と併せて教育改革を行った。“発想の自由人”というビジョンを掲げ、「考える力」を始めとする5つの力を伸ばす相互通行型授業を実践している。中学は3クラス、高校は4コース制。インターナショナルコース スタンダートは、長期・短期留学制度を整え、インターナショナルコース アドバンストでは、主要教科をAll Englishで実施している。